魯山人像を紡ぐ決定版評伝『知られざる魯山人』山田和

知られざる魯山人

知られざる魯山人 (文春文庫)
山田 和
文藝春秋
売り上げランキング: 423,872

著者の山田和氏の父は魯山人と親密で

自宅には譲り受けた作品がたくさんありました。

ところが魯山人の死後間も無く、

山田氏の父は所有していた魯山人の品々を

ほとんど処分してしまいます。

なぜ山田氏の父は思い出の品々を処分したのか?

その理由を原点に山田氏が調べていくうちに見えてきた

魯山人という人物像を綴った決定版評伝です。

魯山人の書籍について

過去にまとめたものがあるので

もしよければご覧ください〜。

魯山人陶説 (中公文庫)posted with amazlet at 19.01.24北大路 魯山人 中央公論社 売り上げランキング...

主な内容

正直に言うと

この書籍は1分ではまとめられないです。

なので結論から言いますと

「魯山人の美学」

この一言に尽きると思います。

魯山人の作る器がなぜ評価されるのか?

それは盛り付けられた時に

初めて意味を成す器を作るからです。

つまり、魯山人の作る器は鑑賞陶器ではなく、

民藝の意を超える器なのだということ。

さらに取材の中で

魯山人の作った器からは

「この器に盛り付けるならもっと新鮮な食材を使え」

「旬な食材を食べるべきだ」

などという魯山人の声が

聞こえてくるという話しがあったり。

ここまで人々を魅了する器は

どうやって魯山人は作ったのか?

魯山人が全てオリジナルで作っていたかというとそうではなく、

数々の歴史的な器を

国内・海外から取り寄せ研究したそうです。

見方を変えればただのコピーだ

という意見もあったようですが

魯山人の場合、

器は料理の着物という格言通り

情熱故の研究で辿り着いた答えということ。

一般的にコピー品を作る理由として

商業的な理由で安価で大量生産というのが

ほとんどだと思いますが

それに対して魯山人は全然違いますね。

当時、中国など国外にも目を向けていて

異文化を写し学ぼうという姿勢もすごいですね。

魯山人にとって写しとは学ぶこと

だったのではないでしょうか。

印象に残った言葉

魯山人は意地悪、偏屈、変わり者など

そんなイメージが強いと思われていますが

それについて自身で語っている一文がありました。

「大概の人は私を嫌いだという。

それは私が褒めてやらぬからだ。

別にけなすわけではない。

本当のことを言っているだけだが

世の中の人は本当のことを言われると

差し支える人が多すぎるから私を敬遠する。

心にもない褒め言葉を言って

北大路魯山人は善人だと言われるよりは

ひとりぽっちでいる方が安らかだ」

ちょっと極端なところはありますが

損得勘定では行動しないという素敵な言葉ですね。

まとめ

美食家という一面が強すぎて

美味しいものばかり食べていた人

とよく言われている魯山人。

でも実は「美味しいものを食べた」のではなく

「美味しく食べた人」だったというのが分かりました。

美味しく食べるためは金や努力は惜しまない。

そんな魂が魯山人が作り出す芸術に宿って

今もなお人々を魅了しているのではないでしょうか。

知られざる魯山人 (文春文庫)
山田 和
文藝春秋
売り上げランキング: 423,872
スポンサーリンク

シェアする

フォローする