日本中世に生まれた雅の精神「能面の世界」西野春雄,見市泰男

能面の世界 (コロナ・ブックス)
平凡社 (2012-09-25)
売り上げランキング: 357,753

能面の世界

能楽とは詩と劇と音楽が融合した歌舞伎の世界。

言葉や音楽、役者の動きで

情景を描き心象を描写する能楽は

観客の想像力に訴え掛ける楽劇で

他の古典劇と最も違うのは

仮面を用いる仮面劇であるということです。

はじめに

そもそも能楽にとって能面とは

役者が己の心を託すものであり、

魂が宿る「依代」、演技の「要」だと言われています。

そんな能面は置いた状態で完成品ではあっても

その本当の真価は優れた演者達の舞台で使用された時、

能の道具として能を支え、最も輝きを増すのだそうです。

主な内容

能面に興味がない人にとっては

この写真だけ見ると怖がられそうですが

このように各面について細かく詳細がまとめられています。

例えば写真は女面の紹介ですが

額から頬にかけて三本平行に緩やかに裾で太くなる毛描が特徴で

若い女性の初々しさを表しながら、

内面の深さをも表現できる美しい女面とあります。

印象に残った言葉

本書の中で脇宝生の謡と幸流の小鼓を嗜み、

能に造詣の深かった作家の野上弥生子さんは

「あらゆるものが有って、しかも無にまで及んでいる能面は、

その本質をなにより明らかに示すものというべきである」

と言われています。

まとめ

この「無」という考え方は

あらゆるものがあって、

しかも無にまで及んでいる能面は

その根底に無人称的な深い表情を造形していると言います。

この言葉、この一冊は能面の世界だけでなく

芸術の世界全てに共通するのでは思える一冊でした。

能面の世界 (コロナ・ブックス)
平凡社 (2012-09-25)
売り上げランキング: 357,753
スポンサーリンク

シェアする

フォローする