世界で最も美しい色を描いた画家の、最も美しい夫婦愛の物語「画家・謙三とともに」 岡田きみ

日本の抽象画家である岡田謙三さんの妻である

岡田きみさんが綴った画家・謙三とともに。

この一冊にきみさんが謙三さんと

出会ってからの生涯がまとめられている。

お互いを気遣いあって二人三脚で歩んでいく

その人生の美しさが何と言っても魅力的だ。

謙三さんの生涯は何事にもとらわれない

自由奔放さで生まれてから死ぬまで

絵に真正面から向き会い続けた人生と、

きみさんという大らかで慈愛に満ちた女性が

慎ましく寄り添い合って生きたエッセイになっている。

この一冊には、

二人の出会いと結婚。

その後、謙三さんが生涯をとげるまでの

二人の生活が穏やかに綴られている。

二人の出会いから始まり

その後結婚をして、

画家である謙三さんと

画家を支える妻きみさんの人生は

どの物語を読んでも美しい。

幼い頃から芯が一本しっかり通った謙三さんは

何事にも縛られない物の見方ができ、

特にその才能は芸術に秀でていた。

画家を目指してからは

絵のことになるとまわりのことはお構いなしで、

でもその姿に人々は魅了されていく。

妻のきみさんはそんな謙三さんに魅了された一人。

裕福とはいえない生活の中で

貧乏という枠にとらわれず

二人は清らかに生き続けていく。

戦争の最中でも

謙三さんの画家としての生き様は揺らぐことなく、

それを支える妻きみさんの人生は

とても幸せだったということが読んでいて分かる。

その後、謙三さんは

日本の芸術という概念から脱却すべくアメリカへ渡る。

スランプと思われるような時期もあるが

真正面から絵と真摯に向き合うその姿は

文章から強く強く伝わってくる。

そして謙三さんにしか描けない

幽玄主義(ユーゲニズム)といわれる

抽象画作品をどんどん完成させていく。

この幽玄という言葉には

かすかなとか、

奥深いなどの意味が込められていて

それは二人の人生そのものではとも思える。

体を病に蝕まれながらも

その生涯をとげるまで筆を握り続けた人生は

読んでいる僕を惹きつけないわけがない。

きっと読まれればあなたも

あっという間に読み終わり、

なんて素敵な人生を送られたのだろうと

心が暖かくなるに違いない。

普段エッセイ集はほとんど読まないけど

こんな気持ちになったのは初めてだ。

正直なところ、

岡田謙三さんのことは

こちらの本を読むまで全く知らなかった。

それでも読めばすぐに

二人の魅力を感じることができると思う。

何度もいうがこの本は

世界でもっとも美しい色を描いた画家の

世界でもっとも美しい夫婦愛の物語である。

おすすめ一冊だ。

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