「こころの旅」 神谷美恵子

久々に紙の本を買った。

書籍のKindle化が進んでるけど

まだまだ紙の本も多い。

紙で読むか、電子書籍で読むか

それぞれ良いところと悪いところがあるだろうけど

個人的には電子書籍派。

ipadで読むのは新聞、雑誌、ブログなど

一括して読めるので荷物が減らせるから。

あとは自宅に本棚が必要なくなる。

本自体、誰かに見せびらかすものではないし

僕にとってはipadが最適なんだと思う。

そんな話しは置いといて早速本題へ。

昨日に引き続き、神谷さんの一冊。

前回は神谷さんがハンセン病患者と関わって感じた

「生きがいとは何か?」という内容だったけど

今回は「こころの旅」を紹介する。

この一冊は人が産まれてから死ぬまでの

心に関係する出来事のことを「こころの旅」という表現で

医学的な考察と神谷さんの眼差しから一冊にまとめられている。

人生の出発点

人生の出発点はいつか?といえば

産まれる前の受胎の瞬間と神谷さんはいう。

つまり生命が母親の体に宿った瞬間から。

驚くべきことは

その瞬間は自分にも他人にも気付かれていないこと。

人間は命が宿るということは誰も予測できないし、

自殺しない限りいつ死ぬかも検討もつかない。

こころとは一体何か?

人間は「こころ」を持っているため

全てが極めて複雑に、厄介なことだという。

それは感情とも言える。

産まれた瞬間からどう感じるかで

その後の人生は180度変わる。

それは子供だけではなく親にも同じことが言える。

妊娠、出産を父親、母親の両方の心が

どう受け止めるかで

その子供に対しての育て方も変わる。

育て方が変われば

受け手の子供の心がどう受け取るかで

その後の人生も変わる。

つまり心という感情装置は

人が産まれてから死ぬまでの人生に

一番影響を与えるということ。

学びとこころの関係

本書でいう普通の人間としては、

どれかの文化に根を下ろし、そこから何処へでも

芽や枝を伸ばしていくのが望ましい。

それが実り多いのではないかという。

人間は過去からの蓄積なしには

新しい物を作り出す素材にさえこと欠く。

ゼロから一人で創り出すということはあり得ない。

文化への新しい貢献も

過去の人々の業績や同時代の人々から

協力があって生まれるとすれば

「学ぶこと」の大切さは文化や歴史を作る上で

こころの世界をまとまりある物とするため

はかり知れない物に見えてくる。

教育とこころの関係

日本は世界いちの就業率をほこる教育大国。

神谷さんは言う。

そんな大国の風土の中で

子供達はどんなこころの旅をしているのだろうか?

彼らのワクワクするような期待と、

新しいものに接することへの緊張に

正しく答えるものが現代の小学校に用意されているだろうか?

遊びという観点から見たときに

学童のあそびには多くの想像力や抽象思考力が

入ってくるから多彩なものになる。

それはすでに3歳ごろから見られ

低学年では特に◯◯ごっこなどが盛んになる。

そしてボールあそびというものになれば、

「心身の機能をはたらかせるもの」としていたが

小学校の上級になるほどチームを組んで、

ルールを守ると言う本格的なゲームに進化する。

これは子供達がその発達に応じて

どのようにルールを意識するのかなどが問われ、

もしルールが望ましくないとなれば

皆で相談して変えることだってする。

もうこれは大人の考え方と言って良い。

ただのボール遊びも見方を変えれば

自立的な精神を養う教育の一つなのだ。

なぜ親が必要なのか?

これは個人的な見解だけど、

学齢期における家庭の役割とは

子供のこころのを管理することだろう。

言い方は冷たく聞こえるかもしれないが

人は一人では生きられない。

誰かと喜び、衝突し、共有する。

それは学校という社会で行い、

家庭という社会の外で行うことに意味がある。

社会の中で完結するならば

こころの成長は期待できないものではないかと思う。

家庭という深い繋がりのない世界

を知らないということは、

人のこころは理解することは難しいだろう。

心から信頼する友達、

心から尊敬する師匠、

心から愛する家族、

こういった繋がりを築きあげるには

社会、社外のどちらにも自分の居場所がある

ということが必要な条件だと考えれる。

老いとこころの関係

安らかな老年を迎えることは

どういう条件を満たしていなければならないのか。

これには大きな業績と心がけと同時に、

体質、健康、社会的・経済的・家庭的条件などが

うまく揃って初めて可能になるだろう。

でもその根源を辿っていくと

どんな辛いことも楽しむことができるとか、

苦しみに満ちた人生を乗り越えることができた人間に

その条件は備わることが本書から分かる。

どうすれば辛いことも乗り越えられるのか?

それは愛されることを求めるより

愛することに喜びを感じるこころが

これまでの人生ではぐくまれてきたかによって決まるという。

まとめ

老いとこころの考察で

愛されることより愛することの喜びという見方は

これまで考えたことがなかった。

誰かのために全力で生きるというのは

僕のこころの中にもあるけど、

それはつまり愛する喜びを知るということに気付かされた。

利他の精神とは先に愛するということなのだ。

この本に出会えて本当によかった。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする